映画館で映画が始まると「皆等しく無力の人になる」のが良いという感覚、凄く解る。何というか自分が透明人間かただの空気になった感覚が好きです。現実世界は常に自分に関与してくるし、自分も生きているだけで世界に関与する訳で。映画の前では無になる事を許される良さhttps://t.co/0cY133O0q0
— 楠野一郎(プロペラ犬) (@kusunopropeller) 2024年5月21日
現実が上手く行かないので、映画を見に行く
なんか偉い人が「現実逃避に映画を漁った」みたいなことを日経新聞かなんかで言ってた気がするし
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感想:失う彼女に残るものは
前評判はチラリと聞いてたので、主人公が否定される(?)ことは知ってた
かなり変わった作品、下手したらアンチアイドル作品とも捉えられるかもしれない途中までそうかと思って、俺この後学マスどういう顔してやればいいんだよって思ってた
重要なのはそこではない、最後主人公だけはアイドルを肯定されるしな
一応最後は未来を提示して終わるけど、その「得た」未来よりも「失う」現在にフォーカスした作品
俺としては、未来提示せずに終わった方が好きかもしれない、無限の可能性みたいな
「頑張って得よう」という世間からの暑苦しいメッセージが蔓延るなか、こういう「失い方」に着目した作品が、商業から出てくるの世間に希望が持てるな
(こういう言い回しするなら熱意の塊により出会えそうな非商業/同人に手を出すべきなのでは?)
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箇条書き
- みんな
主人公が得ようとするために周りを誘うものの崩壊するの、結局自分が叶えなければいけないんだっていう現実を苦しく映してる
みんなだったら大丈夫で得られる安心感は安心感だけであり、能力を正当に評価したものではない(特に流れに乗せられている場合は)
それでいうと、最後に主人公が東西南北(仮)でないアイドルグループで活躍していたのは、”乗せられた”人で構成されたメンバーではなく、"乗った”本気のメンバーで構成されるのが最良なんだろうなと思った
(俺は主に芸人あたりとかそんな感じなんじゃないかと途中から重ねてた)
- 個々
サブスクかなんかの歌い東西南北(仮)って乗ってないの、アイドルの東西南北(仮)ではなくて、アイドルではない個々の自分たちでしか、最後の宿題歌は歌えないから尊重したってことなんじゃないかと思う
- そう簡単に乗れない
序盤の主人公の運命操作が上手くいかないの、主人公の乗りたい運命の引力もあるけど、それによって各々のやりたいこと(特に北)を変動させることは出来ないって捉え方、良い
そうすると、一番主人公の運命操作を狂わせて「(いい意味で)失わせた」のもある意味で原点である北だな、アツい
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アイドルのレールに乗ることで自由に出来ないことが増えていくの、ネムルバカの後半を思い出してたくるみの狂い方で(ここまで折るかよ…)ってちょっと引いた、アレ無傷で復活できるのか心配すぎる
ちゃんと子供いるのビビるな
主人公が得ようとする感じ、自己啓発系でよく見る「あるものではなく、ないものを見てしまう」にかなり合致する
何で男いるんだって不思議だったけど、あの男こそ今回の正解キャラ枠だなやや鼻の下伸ばしてたけど、初めから星を掴んでいたし、線引きもきちんとして、主人公の弱みを的確に質問してくる(何がしたい、一人でオーディションとかは…など)
これ、OPがある感じアニメ12話想定だったけど曇らせでどう考えても視聴者側の耐久が持たないからって映画にしたな?
もっとゆっくり見たかったが、それはそれで離脱してるだろうな…
ほか書くことないかなって公式HPのイントロ見てたら、原作アイドルが書いたの思い出して、あー…ってなった
ストーリーの「私たちが〜〜なるために」
「私がみんなを輝かせて見せる」
って、主語を濁してるんだよな
本来は私がなるために、私が輝いて見せるなんだけど
「可愛い子はみんなアイドルにならなきゃ」にはNoなんだよな、
かわいいでかわいいの循環は作って欲しいんだけど、その輪が広がると純粋な可愛いを愛せないから
いやでもこれやっぱり星街すいせいがこれ歌ってるの、乗せられる側にしか見えなくてグロいな(俺にあるわかってるをわかってて欲しくないの意も内包) -
今見るあのツイート
『トラペジウム』ヤバい。人間を人間ではなく自分を成長させるための飾りとしか考えていない奴が主人公。映画自体の作りも主人公以外の“人間”というものに全く興味がなく、ヒトを自然現象かなんかだと思ってる?みたいな薄っぺらさで、これの原作がアイドルが書いた小説だという事実に冷や汗止まらん
ふーぅん…ここで指摘されている主人公の醜悪さについて、バキバキに折るのが本作だからそこじゃないな
でも、これをアイドルが書きましたと言われると、そういうなり上がり方したのかなという想像はしても不思議ではない利用するシーンが大半だったし、ここが作者が書きたかったところでも違和感はないな
[まとめ]
得たことではなく、失うことに焦点を当てているのが新鮮
自分で得ることが出来なかったから(1人でやる勇気がないからでないのは偉い)、みんなでやればどうにかなるだろう、という強い利用の気持ちを叩き潰しに来る構成
この心地良くなさが「得方」ではなく「失い方」に焦点を当ててて心地よかった、失敗しても良いんだという肯定にも思えて
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ストーリーにおいて目的となる心地よさを書くために案山子となる心地悪さが存在する
しかし、本作の心地悪さには派手な逆転劇は必要ない
その心地悪さは、他人の心地良さを侵攻した主人公によるもので、潰されるべきものだからだ
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おまけ
東>>>西>>北>南東:人間らしさで良い
西:萌の一点、発狂の仕方だけ心配
北:序盤が微妙だったが、東を全て変えたと考えると良き、
でも男いるの〜?南:表面的すぎてわからん、序盤の西南にCP感を感じてた
何故か道中に発見したマツモトキヨシ本社
全く意味のない門